「マクロスシリーズ」は、1982年に放送されたTVアニメ『超時空要塞マクロス』から始まりました。
その「マクロスシリーズ」における基本要素<バルキリー(可変戦闘機)・三角関係・歌>のひとつ、「歌」を象徴し、作中において世界観の要となるディーヴァ的なキャラクターの歌姫たち。架空のアイドルキャラクターでありながら、その歌唱曲が従来のアニメ主題歌や挿入歌とは違い、現実の音楽市場でも当時の流行に即したポップソングとして人気を博すなど、シリーズのほとんどが高評価の大ヒットという快挙。
アニメキャラクターと音楽のメディアミックス戦略の先駆例と言われ、この方向性はアニメ作品中に架空の歌手を登場させるという傾向を生み出し、後のバーチャルアイドルの動きにも影響したと言われています。
シリーズを通して作品のクオリティーが非常に高く、脚本などストーリー構成も緻密で、キャラクター設定・キャラデザインや音楽プロデュースにおいても常に高評価のマクロス。
その中で核となるヒロインの歌姫たちをネット上の評価を総合的にまとめてランキング形式でご紹介します。
マクロス歌唱力ランキング9位 ランカ・リー
*出典:Youtube
『マクロスF(フロンティア)』
「お嬢様学校」である名門・聖マリア学園に通い、中華料理チェーン店「娘娘」(にゃんにゃん)でアルバイトをする高校生。
後に芸能活動のために美星学園芸能科に編入しました。
地球人とゼントラーディ人とのクォーターで、バチュラ(作品に登場する架空の地球外生命体)によって壊滅させられた第117次大規模調査船団の生き残りとされています。
引っ込み思案な性格で、人前で歌うことを躊躇い避けていましたが、アルトやシェリルとの出会い、そして激励を受けるにつれて自分の歌をみんなに聞いて欲しいという思いが生まれ、歌手を目指す気持ちが強くなります。
兄を説得し、芸能プロダクションに入りましたが下積み的な営業でなかなか進展がなく、くすぶっている期間がありました。
しかし、映画出演のチャンスをつかみ、それをきっかけに「超時空シンデレラ」と呼ばれるスーパーアイドルになっていきます。
引っ込み思案な性格と言う設定がありますが、非常に積極的で度胸のある肝の据わった女の子という印象があります。
歌声に関しては、少女らしいハツラツとした声質で、まさにTHEアイドル的な元気さがあります。
ビブラート等の技術力は高いとは言えませんが、思いがストレートに伝わるとランカファンも多いようですね。
女性としてシェリルと対照的に描かれているようですが、ポテンシャルは高く伸び白もある歌手のようです。
マクロス歌唱力ランキング8位 フレイア・ヴィオン
*出典:Youtube
マクロスシリーズ最新作『マクロス△(デルタ)』
戦術音楽ユニット「ワルキューレ」に憧れ、銀河辺境の惑星の王政国家である惑星ウィンダミアの田舎からオーディションを受けるためのために飛び出してきた14歳の女の子。
<ワルキューレはシリーズ初の女性5人組の音楽ユニット>
ウィンダミア人特有の「ルン」と呼ばれる触角を持っているのだとか。
ウィンダミア人は身体能力が非常に優れているが、肉体の老化が早く平均寿命が30年と短いという情報も。
自由奔放で天真爛漫。一度決めた事を曲げない芯の強さを持ち、そして異性には積極的にアタックしていく性格なのだそう。
“マクロスFのランカ・リーとシェリル・ノームを足して2で割ったような、いいとこどりな性格!”という意見も。
歌唱力に関しては、悪く言う評価はほとんどなく、心地良い透き通った歌声で、ポテンシャルの高さを評価されている意見が多く挙げられていました。
マクロス歌唱力ランキング7位 美雲・ギンヌメール
*出典:Youtube
マクロスシリーズ最新作『マクロス△(デルタ)』
ワルキューレのエースボーカル。年齢や素性、経歴といったプロフィールが一切不明のミステリアスな女の子。
<ワルキューレはシリーズ初の女性5人組の音楽ユニット>
美雲も自身の出自を知らず、目覚めた時には「歌いたい」という気持ちだけがあったといいます。
歌に対して誰よりも真摯な姿勢を見せ、危機的状況に陥っても決して歌う事を諦めないプロ根性があるのだとか。
メンバーで唯一、時速200キロで進む飛行中のバルキリー上にワイヤーで立つことができたり、そのままヴァール化した相手の機体にとり付いて直接歌を聴かせたり、一切の装備なしで惑星ラグナの海中深く潜ったり出来るなど常人離れした身体能力をもっています。
彼女の歌声は、“ヴァールシンドローム”を鎮静化させる効果を持つそうで、その反応はワルキューレの中でも特に高く、それを武器に直接ヴァール患者に接近し、沈静化させるといった芸当もこなすのだそう。
とにかく謎が多くミステリアスで、美しい美貌に力強い歌声。
惹かれる要素たっぷりの歌姫です。
マクロス歌唱力ランキング6位 ミレーヌ・ジーナス
*出典:Youtube
『マクロス7』
熱気バサラ率いる4人構成おのロックバンド「FIRE BOMBER」のボーカル兼ベース。
統合軍の艦隊司令で天才パイロットと言われるマクシミリアン・ジーナスとゼントランのエースでシティ7の市長ミリア・ファリーナ・ジーナスを両親に持ち、 両親の才能も受け継いでいて、操縦桿がギターになっているバサラの改造バルキリーを初乗りで乗りこなすといった技量も見せています。バサラ同様、歌いながらバルキリーの操縦をこなすほど腕が良いようです。
勝ち気で物怖じせず、奔放な性格の持ち主。とにかく天真爛漫でどちらかと言えば常識人なのだそう。
歌声に関しては、作中で熱気バサラの存在感に押されインパクトが弱い感じではありますが、独特な癖があるものの可愛らしく聞きやすい声質で、書き込みから見てもファンが多い印象です。
マクロス歌唱力ランキング5位 インシュタル
*出典:Youtube
『超時空要塞マクロスⅡ』
マルドゥーク軍の歌巫女(イミュレーター)の1人。
綺麗な水色の髪を持つ絶世の美少女で神秘的な雰囲気を持っています。
ミステリアスな雰囲気、浮世離れした美しさ、物憂げな表情、そしてイシュタルのシースルーファッションが目を引き、容姿・歌声・性格とヒロイン性が高いという声は多く、マクロスシリーズの中で作品全体の評価とは裏腹にヒロインとしての評価が非常に高いようです。
インシュタルの独特な歌により、「ゼントラーディ兵を戦闘に駆り立てる」というような洗脳する役目を務めていましたが、主人公・神崎ヒビキに発見され地球へ導かれました。
異星人のため地球の言葉がわかりませんでしたが、ピアス型の翻訳機で地球の言葉を理解できるようになったようです。
その後、地球の「文化」に衝撃を受け、やがて歌本来の素晴らしさを知り、これまでとは反対にマルドゥーク軍を説得する為、ヒビキ達に協力するなど平和の使者として立ち上がることになります。
性格は一見すると大人しそうに見えるが実は積極的なのだとか。
マクロスファンにもあまり知られていない“隠れた名曲”「もういちど LOVE YOU」は、物語のクライマックスで披露されストーリーの盛り上がりとシンクロし、胸にぐっと来るものがあるようです。
マクロス歌唱力ランキング4位 リン・ミンメイ
*出典:Youtube
『超時空要塞マクロス』
マクロスシリーズでは言わずと知れた初代歌姫。
ミス・マクロスコンテストでの思わぬ優勝をきっかけに芸能界入りをして瞬く間に人気アイドルとなり、華々しく活躍する元祖超時空アイドルです。
屈託のない明るさで、環境に順応する積極性を持っており、現代的な少女という性格。
若干自己中心的で八方美人な面があり、他人の感情や立場を配慮することが器用に出来ないようです。
なんでもキャラクター設定の際、松田聖子や中森明菜をモデルにしているんだとか。
ミンメイは宇宙大戦を終結に導いた伝説の歌姫として歴史に名を残し、その後のマクロスシリーズでは、重要な位置づけとして作中で度々ミンメイの名が登場しています。
歌声はまさに昭和のキラキラとしたアイドル。
透き通った声にどこか甘えたような女の子感があります。
特に高い技術力があるという感じはありませんが、ストレートに歌詞が入ってくる聴きやすい歌声はマクロスファンの心をキューンと鷲掴みです。
マクロス歌唱力ランキング3位 シャロン・アップル
*出典:Youtube
『マクロスプラス』
人口知能やホログラフィーの進化によって誕生した史上初の「バーチャロイド・シンガー」。
開発者はエンジニア、マージ・グルドア。
女性という性別以外は歌声や容姿も一定ではなく、楽曲により変化し、様々な人が望む「偶像」いわゆる理想の歌姫像を変幻自在に演じられる魅力を持っています。
現在でいう初音ミクのようなボーカロイドに近い感じでしょうか。
実際に一部では「ボーカロイドの一号機はシャロンである」とも言われていて、現実の音楽業界でボーカロイドが完成した際は、「ようやく時代が追いついた」とも言われたんだそう。
シャロンの最大の特徴は、歌に特殊なサブリミナルを混ぜ込むことで、シャロンの歌を聴いた人を無条件に虜にしてしまうという能力です。
ある意味洗脳のようなところもあるように思えますが、ライブが始まれば惑星規模で騒動が起きる程、その人気は凄まじいようです。
マクロス歌唱力ランキング2位 熱気バサラ
https://www.youtube.com/watch?v=Id5lw8gpOeE
*出典:Youtube
『マクロス7』
マクロスシリーズで唯一、メインの歌い手が男性というマクロス7。
バサラは、4人構成のロックバンド「FIRE BOMBER」のボーカル兼ギター。
熱気バサラは、常人をはるかに超えた“歌エネルギー”の持ち主と言われています。
少年期に「歌で山を動かしたい」との思いを抱いてから歌うことにこだわり続け、音楽には一切の妥協も許さない熱血歌オタク。
マクロスシリーズで誰が上手いかというネット上での討論もマクロス=歌姫というワードがよく出るため、男性のバサラを上げてもいいのか躊躇しながらも、多くの人がバサラを高評価し、圧倒的に上位です。
現実世界においてもFire Bomber名義でシングルやアルバムが発売されオリコンチャートにもランクインし、全CD累計150万枚以上を売り上げるなど人気を博しました。
歌唱力に関して、感情移入がしづらいという意見も多々ありますが、最初から歌で相手を感動させるってことだけで行動している姿や本当に歌に命かけてるなぁと伝わる力強い歌声、そして宇宙だろうが戦場だろうが所かまわずのシャウトは最強です。
マクロス歌唱力ランキング1位 シェリル・ノーム
*出典:Youtube
『マクロスF(フロンティア)』
マクロス・ギャラクシー船団出身で“銀河の妖精”と呼ばれるトップシンガー。
銀河ナンバーワン歌手で、美貌と美声でギャラクシーネットワークでは絶大な人を博しています。
セクシーなボディーラインに、やわらかなピンクのストロベリーブロンドヘア、毒舌を吐き高飛車な態度をとる自信家の一方、実は繊細で子供っぽいキュートな面を持つ、容姿も内面も天性の魅力を兼ね備えた何とも憎めない女性です。
カリスマ性は非常に高く、トップシンガーであることに誇りを持ち、なおかつストイックで努力を惜しまずプロ意識が高い印象。
声域の広さ、ビブラートやしゃくり、特にアクセントの付け方は個性的で、独特な世界観を作り上げる歌の技術力があると評価されていますね。
歴代の歌姫の中でもテクニックがズバ抜けていて、アニメキャラクターながら作中はもちろんのこと、現実世界においてもファンは非常に多く、数々の名曲がリリースされ、時がたった今でもその人気は継続中です。
2017年、『マクロス』35周年プロジェクト始動の一環によりシェリルの歌声がまた街中に轟き、また注目されることでしょう。